テストマーケティングを展開して「あの商品が爆発的大ヒット」という話をよく耳にします。

 

EC事業では「損益分岐点」をいつ越えられるかが一番心配で、一番重い決断になるでしょう。
事前にかけた予算はいつ頃回収できるのか、いつごろから黒字に転換できるか、判断基準は多いに越したことはありません。

 

どのような商品を、どのようにテストしたか、実例を入れながらその方法を検証してみましょう。

 

テストマーケティングの成功事例1：「お取り寄せ」で大ヒット

最初は明太子の製造をされていらっしゃる『ふくや』さんです。

 

ふくや：http://www.fukuya.com/

 

明太子は生鮮食料品ですから、現物を見て買うものと思われてきました。
ふくやの社長さんの反応は「EC販売はまだやりたくない」といったものだったそうです。

当時、まだ世の中にお取り寄せという言葉によるグルメブームは浸透していなかった時代ですが、テストマーケティングをしてみると徐々にユーザーの反応が良くなってきたそうです。

 

まず明太子をECで買うユーザーはいるのかというところから始められました。
明太子をプレゼントするというキャンペーンを毎月行ってこられたそうですが、始めた当初にはほとんど反応がなかったのに、1年後には何万人もの明太子が食べたいユーザーの顧客データができ上がっていたとのことです。

 

そこで「機を見るに敏」であったのでしょう。
ふくやさんはインターネット通販専用商品を開発し、満を持して発売開始すると1か月で1万個もの注文があったそうです。

 

テストマーケティングの成功事例2：商品イメージを創造

日本にエナジードリンクの市場は根付くか。
この命題を実際に展開された企業が『レッドブル』さんです。

 

レッドブル：http://energydrink-jp.redbull.com/

 

レッドブルさんは、エナジードリンクを発売するにあたり、テストマーケティングとして商品のブランディングと、新しいイメージ付けを積極的な広告宣伝によって展開されました。
もともと市場のないところに商品を投入するわけですから、かなりの資金を使うことになります。

 

レッドブルさんは若者に人気のあるスポーツや音楽など、あらゆるところでスポンサーシップを獲得してレッドブルの名前を売り込みました。
代表的なところではF1やWRC（世界ラリー選手権）、オートバイレース、モトクロス、そして大規模なコンサートなどです。

 

その結果、レッドブルさんは「クールでかっこいい」というイメージを手に入れることができました。
ヨーロッパに「エナジードリンク」という新しい市場を開拓したのです。

 

もちろん誰もが大量の資金を投入して同じやり方で新商品を売るなどということはできないわけですが、インターネットの世界では情報の浸透に知恵を絞り出すことはできるはずです。

 

テストマーケティングの成功事例3：アンケートから購買意欲を湧かせる

最近とても多いなと感じる「アンケートサイト」ですが、ひとつの代表として先鞭をつけたサイトが『ECナビ』でしょう。

 

ECナビ：http://ecnavi.jp/

 

このサイトは企業からのアンケートに回答するとポイントが貰えるシステムなのですが、その質問内容が商品の特徴を読ませ、且つ商品サイトまで見せて、商品の優位性を理解させ最後には「購入したいですか」と誘導する新しいタイプのマーケティングプロモーションです。

 

 

いかがでしたでしょうか。
テストマーケティングの成功を目指すには、確固たる目的意識と情報を収集するという姿勢、そこから導かれるユーザーニーズ、またその把握によるEC専用の商品開発や流通の改善といった進化の過程が見えてくると思います。